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僕は人間じゃないんです
RADWIMPSの『棒人間』いい歌ですよね。たまに無性に聴きたくなります。
あ、今からするのは僕の話じゃないんです。地元の友人A君の話です。
A君は21歳の男子大学生でした。
中学校までは地元の公立に通っていましたが、高校受験に失敗し県外の私立高校(男子校)に。大学も県外だったので、大学生からは一人暮らしをしていました。
大学三年生のある日、帰省したA君は中学時代のクラスメイトである女の子とばったり会いました。久々の再会に弾む会話。しかし別れ際に事件は起きました。
女「そういえば、Aは今彼女はいるの?」
A「いや、いないよ。というか未だに彼女いない歴=年齢だし(笑)」
A君にとっては普通の会話でした。
しかし彼女にとっては違ったようです。
次に彼女が放った一言は、A君にとって一生忘れられないものになりました。
「大学三年生なのに彼女いたことないって、もうおとぎ話の世界・・・Aは妖精だね(笑)」
頭をハンマーで殴られたようでした。←これ、陳腐な表現だなとか思ってましたけど本当にそんな感じでした。ってA君が言ってました。
そのあとのことはショックでよく覚えていないそうです。そりゃそうですよね、まさか自分が人間じゃなかったなんて・・・
でも、どうしてA君は妖精になってしまったんでしょう。A君としては人間として普通に暮らしてきたつもりだったのに。今日はA君の人生を振り返りながら、なぜA君は妖精になってしまったのかを考えていこうと思います。
1.私服の購入は母親任せだった
幼稚園時、小学生の頃はみんなそうだと思うんです。
でも中学生、遅くても高校生になったら、ファッション雑誌の一つも読んで、自分で「カッコいいな」と思える服を買うものです。これが人間のあるべき姿です。でもA君は違いました。中学生になっても高校生になっても、母親がたまに買ってきてくれる服を着回し、自分で買うのはジャージのみ。ただ高校までは制服があったこともあり、幸か不幸か、問題が表面化することはありませんでした。
さて大学生になると制服がなくなり、人間たちは毎日思い思いのファッションを楽しむ年齢です。しかし、考えることを怠っていた未来の妖精にそんなセンスも行動力もありません。結局、A君は週5でパーカー+スウェットで過ごしていたそうです・・・そりゃモテないわ。
2.整髪剤をつけるのが恥ずかしかった
中高生くらいになると、人間の男はみんな髪型を気にしたり、整髪剤を使うようになります。やっぱモテたいですもんね。いやそもそもモテる云々ではなく、髪の毛を整えるのは人間として当然のエチケットですらあります。
ただ、妖精たちはそうは思わないんです。「色気づいていると思われそう」という理由で、
ワックスをつけることを異様に恥ずかしがってしまうんですね。御多分に漏れずA君も、整髪剤の類をほとんど使うことがないまま成人を迎えてしまいました。
ちなみに妖精たちが同じように恥ずかしがるものの代表格として「ツーブロック」があります。友人のを見てカッコいいなあと思いつつ、美容師さんへ注文するちっぽけな勇気が出せず、多くの妖精たちはスポーツ刈りと角刈りのハーフ&ハーフで学生時代を過ごします。ちなみにA君は中学生時代、2か月に一度のペースで散髪に行っていたのですが、美容師さんへの注文は毎回「2か月前の長さにもどしてください。」でした・・・
思考放棄するな。パスカルに謝ってこい。どうすればモテるか、もっと考えろ。
3.男子校に通っていた
これについては賛否両論あるかもしれませんが、やはり共学出身と男子校出身では妖精率は後者が圧倒的に高いのではないかと思います。
何といっても女の子とのエンカウント率が違い過ぎます。僕はポケモンやったことないんですが、ゼニガメを捕まえたいのに岩場をウロウロしていてもイシツブテしかいないでしょう(知らんけど)
一応、休日になるとゼニガメを捕まえに水辺に繰り出す優秀なトレーナーもいるにはんですが、大半の人は環境のせいにしてゼニガメを捕まえることを諦めますし、なかにはイシツブテがゼニガメに見えてくる人も・・・男子校には男子校の良さもたくさんあるのは事実ですが、妖精に堕ちる確率を減らすという意味では共学を選ぶのが無難かもしれません。
4.『パワプロクンポケット』シリーズが大好きだった
「パワポケ」の愛称で知られる名作シリーズですが、子供のうちからドップリはまってしまうと、人間から妖精に堕ちるルートに分岐してしまうかもしれません。プレイしたことのない方々はご存知ないかもしれませんが、もともとギャルゲーを作っていたスタッフ陣が手掛けているこのシリーズは、野球ゲームの皮を被った恋愛ゲームなのです。
呑気に野球をやっているだけの主人公に次々と寄ってくる美少女たち。会うだけでグングン上がる好感度。それぞれの女の子が抱える暗く重い背景や過去。良くも悪くもまっすぐな主人公と一緒にプレーヤーが目にする数々のハッピーエンド、そしてバッドエンド(子供向けゲームなのに、評価が足りないと普通に目の前で飛び降り自殺されたりします。)
ポケモンは一つも持ってないくせに、14作目まで出ているこのシリーズを全て持っていたA君は、
・特別なことをしなくても女の子との出会いは沢山ある。
・女の子はか弱くて、すぐ死んでしまう。
・女の子は会うだけで自分の評価は上がる。そして、うまくいく。
このような間違った価値観を心の奥底に植え付けられることになってしまいました。
A君よ、生まれ変わったら健全にポケモンやろうな、ポケモン。
5.女の子に対して下ネタが言えなかった
妖精の傾向として、女の子を必要以上に清らかな存在だと思ってしまっているところがあります。男友達相手だと言える下ネタが、女の子相手だとうまく言えない。「女の子相手にこんなこと言っていいのか?」「女の子相手に強くツッコミ過ぎるのもなあ」会話中もそんなことばかりが頭をよぎり、結果として男友達との会話に比べてテンポが悪くなったり、当たり障りのないことしか言えなかったりして、相手に会話で良い印象を与えることができないのです。A君も、男友達との会話は立て板に水と言った感じでしたが、初対面の女性との会話は2016年スプリンターズSのビッグアーサー号のようにスムーズさを欠きます。
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いかがだったでしょうか。これを読んでいる方の多くは人間様だと思うので、共感する部分は一切なかったと思います。
でも、もしこれを読んでいる人の中に妖精予備軍の中学生や高校生、あるいは妖精の同志がいたら、、、
そして、一つでもA君と同じ行動をとってしまっていたら、、、
すぐに改めましょう。今ならまだ間に合います。そしてA君を反面教師にして彼女を作り、”人間”として楽しい学生生活を送ってほしいです。そうすれば、A君も、A君に代わってこの記事を書いた僕も少しは救われます。
ここまで長々と駄文を読んでいただいた皆様、ありがとうございました。
よき人間ライフをお過ごしください。