競馬

儲け過ぎってホント?JRAの決算資料(財務諸表)を読んでみた

結局、JRAって儲かってるの?

お疲れ様です。輪切りです。

皆さん、毎週競馬で負けるたびに鼻息を荒くしながら「JRAの野郎・・・来週こそ潰す(ガルルル)」と負け犬の遠吠え奮起を誓っていらっしゃると思います。でもちょっと待ってください。そもそも、潰す相手のこと、ちゃんと知ってますか?JRAがどれぐらいの規模で事業をしていて、僕たちか弱い競馬ファンからいくらぶんどっているのか、イメージはついていますか?

将を射んと欲すればまず馬を射よという言葉もありますし、馬券で勝つためにまずJRAを射ていくのが得策に違いない。ということで、今日はJRAの財務諸表を見ていきたいと思います。

あ、折角なので次の5つの問題の答えをパッと思い浮かべてから読み進めてみてください。記事内に全て答えは出てきますので。

Q1.一年間の馬券の売上は?
Q2.JRAの所有する現金の額は?
Q3.JRAの借金(借入金)の額は?
Q4.馬主の資格を持つ人数は?
Q5.騎手免許を持っている人数は?

なお、筆者は簿記3級すら持っていないクソ雑魚経理マンのなので、ツッコミどころが多多々々あると思います。ご指摘いただければ、適宜修正するのでどうぞよろしくお願いいたします。

チョイ待ち。そもそも財務諸表って何じゃらほい

簡単に言うと会社の成績表とか家計簿みたいなものですね。
会社が今いくら現金を持っていていくら借金があるかとか、売上がいくらで費用はいくらだから差し引き利益はいくらだったとか、そんなことが書いてある資料です。

この財務諸表をもとに投資家はどの会社の株を買うか決めたり、また会社が国に収める法人税の額が決まったりするわけですから、当然好き勝手作っていいわけではありません。
一般の企業だったら「財務諸表等規則」というルールに則り作成する必要がありますが、JRAはこの規則ではなく競馬法に基づいて作成をしています。
(余談ですがこういった一般原則に寄らずに財務諸表を作成する事業を別記事業と言い、建設業とかもこれにあたります。)

では早速、平成30年度のJRAの財務諸表を見ていきましょう!

損益計算書

まずは損益計算書を見てみましょう。これは会社の家計簿みたいなもので、収入(売上)がいくらで支出(費用)がいくらだから、手元に残ったお金(利益)はこうなりました、みたいなことが書いてある資料です。

平成30年度のJRAの家計はというと、事業収益が2兆8352億円、事業費用が2兆7829億円、事業利益が522億円となっています。
2兆8000億円超えの売上に対して利益は500億円ちょっとと、字面の利益率だけ見ると1.84%とかなので「あ、なんだ思ったよりJRAの取り分少ないな」→「てことは、俺そんなに馬券で負けてないな(ニヤリ)」なーんて考える方がいるかもしれませんが、残念ながら大いなる勘違いです。
馬券の発売・払戻しの部分のみにスポットを当てると、勝馬投票券収入が2兆8190億円、勝馬投票券諸支払金が2兆1313億円なので、差し引き6877億円が去年1年間で競馬ファンが負けた金額となります。

なるほど、6877億円か。

うん、6877億円ね。

・・・・ええええええ6877億円んん!!???

なんということでしょう。
一説によると年金以外にも2000万円が必要と噂の我々日本人ですが、こと競馬ファンに限るとお金を貯めるどころか6877億円ものお金が流出しているのです。競馬ファンの人口を500万人と仮定すると、全員が年一年で約14万負けてないと計算が合いません。(トホホ・・・)

あなたに競馬を教えてくれた職場の先輩も、Twitterで気になってるUMAJOのカワイイあの娘も、10万円単位の的中馬券をアップししているカリスマプロ馬券師も、全員仲良く負けてると考えて問題ないでしょう。

「競馬で儲けること」がいかにハードルが高いかという事実を否応なしに突きつけられますね。やはり、控除率25%の壁を越えるのは並大抵のことではありません。

話を戻し、じゃあ我々から6877億円もぶんどっている?はずのJRAの事業利益がなんで500億円しかないかと言えば、馬券で得た利益の大半を国に納めているからですね。平成30年度は2805億円国庫納付金としています。
あと当然ですが、競馬の開催にはめちゃくちゃお金がかかります。レースの賞金はもちろん、競馬場やWINSの光熱費も馬鹿になりませんし、山ほどいる警備員・コースのゴミを拾ってくれるおばちゃん・ファンファーレと一緒に旗を振ってるおっちゃんにもお給料を払わなくてはいけません。「牡馬」の読み方を考察する美男美女の映像を流すために、テレビ局にもお金をたくさん払っています。
これら競馬事業費・競争事業費・業務管理費合わせて3710億円を引くと、冒頭の事業利益522億円が出てくるわけですね。

あとは事業外損益(ググッてください)とか特別損益(ググッてください)とかが足し引きされ、最終的な利益(=当期純利益)は554億円に着地します。
この純利益は全額が繰越利益剰余金として翌年に繰り越され、半分は国庫納付金に、もう半分は畜産の振興金となります。

貸借対照表

では次に貸借対照表を見てみましょう。貸借対照表っていうのは資産(お金とか建物)や負債(借金)がいくらあるか書いてる資料です。※純資産は今回無視します。

気になったところや、「JRA特有だなあ」と思うところとかを箇条書きで書いていきます。

ではまずは資産から。

・現金を995億円所持しています。
→いっぱい持ってますね。適当に他の企業がいくら現ナマを持ってるか調べてみましたが、JR東日本が2551億円、大和ハウスが2798億円、味の素が1878億円とかでした。あれ、JRAたいした事ない?

・貯蔵品を755百万円所持しています。
→投票券用紙とかマークカードとかペグシルとかです。いっぱいありますね。

・育成馬を618百万円、馬ひつを955百万円所持しています。
→両方馬のことなんですが、前者は流動資産で後者は固定資産となっています。
ちなみに資産には耐用年数というのが定められていて、例えばエアコンなら6年で会計上の価値を0にする(償却する)ことができるのですが、競走馬の耐用年数は4年だそうです。、、、妥当!!

・建物を2535億円、土地を1376億円所持しています。
→滅茶苦茶多いですが、まあ全国に競馬場、WINS、トレセンなどを所持していることを考えると当然の数字かと思います。これは豆知識ですが、全国に10個ある競馬場のうち中京競馬場のみがJRA所有ではなく、管理する名古屋競馬株式会社と施設賃貸借契約を結んで使用しています。

・車両/運搬具を472百万円所持しています。
→馬運車って意外と少ないんですね。

・機械装置を60億円、工具/器具/備品を246億円所持しています。
→券売機や発走ゲートなどがこれらに当たりそうですね。

続いては負債です。

・払戻金等未払金が136億円あります。
→な、なんと由々しき金額、、、みなさーん!払戻の有効期間は60日間です!!お忘れなく!!!

・短期借入金/長期借入金が0円です。
→これは普通の企業では考えられない数字と言っていいと思います。
JRAが儲かってるっていうのもありますが、普通の企業経営で考えると借金は必ずしも悪ではないんですよね。会社が国に納める税金(法人税)は利益に一定の料率を掛けて算出されるので、
借金をする→支払利息が増える→利益が減る→法人税が減る という図式が成立し得るからです。(まあかといってじゃかじゃか借金したら倒産のリスクも増えますが)
法人税の概念のない、JRA特有の事象と言えるかなと思います。

その他の資料

JRAが公開している資料で所謂「財務諸表」にあたるのは上記の二つかと思いますが、他にもHPに公開されている資料がありました。折角なので少し抜粋。

「事業報告書」によると、職員一人当たりの売得金額は15億9100万円、職員一人当たりの競馬場入場員数は3554人でした。
・・・いや異常すぎへん!?売上の規模に対して人数少なすぎるやろ・・・
そら優秀な僕チンも最終面接で落ちますわ・・・

同じく「事業報告書」によると馬主、競走馬の数はそれぞれ2473名8597頭でした。
また、騎手と調教師の免許の数についてはそれぞれ133名192名でした。

「収支予算書」によると平成31年度の馬券収入は2兆8394億円を見込んでいます。(ちなみに平成30年度時点では6年連続で馬券収入は右肩上がりとなっています。)

7年連続の増加を目指し、降級制度の廃止、キャッシュレス投票の導入、女性騎手の減量制度などの導入などさまざまな改革を行ったJRA。この改革の先にあるのは繁栄か、あるいは衰退か。まだ見えぬ4コーナーのその先へ、彼らはこれからも走り続ける。。。サラブレッドとともに。。。(中島みゆきの『ヘッドライト・テールライト』が流れる)

オチが思いつかないのでこの辺で終わります。
来週以降、皆さんに爆益がありますように。

参考→http://company.jra.jp/0000/keiei/keiei02/

JRAへの就職をお考えの方はこちらの記事も→JRAに就職しようとして最終面接で散った話